九条ネギの育て方(九条ネギを白ネギみたいにする方法や再生栽培・リポべジの方法も紹介します)
九条ネギ(京都の伝統野菜)は、香りがよくて柔らかく家庭菜園にも向いています。
種から育てる方法と苗から育てる方法があり、苗に比べて種から育てるのは少し時間がかかりますが、しっかりコツを押さえれば初心者でも難しくありません。
九条ネギの種からの育て方
種をまく時期は、春にまく方法と秋にまく方法とがあり、春まきであれば3月~5月ごろ、秋まきは9月~10月にまきます。
以前はダイソーでも九条ネギの種が売っていたんですが、今回見当たらなかったのでメーカー製の種で育苗していきます。
コスト的には、ダイソー製でもメーカー製でもそれほど違いが無いですが、メーカー製だと家庭菜園で作るには種が多すぎて全て使うことが出来ません。
ネギ系は種の寿命が短いので来年度も使えるかは微妙です・・・。硬い種は何年ももつんですけどね。
使う道具
今回は72穴のセルトレイを使って、苗をあるていどのサイズまで育苗してから畑に植えていきます。
育苗する土は、たねまき用の培土か野菜用の培養土を使ってください。
今回は、そのままトレイ内で育苗するので野菜の培養土を使って発芽させていきます。
種まき
セルトレイに野菜用の培養土を入れ、水でしっかりと湿らせておきます。
一つのトレイに2~3粒ほど深さ5~10mmに九条ネギの種を埋め、薄く土をかけてしっかりと鎮圧しておきます。
発芽するまでは土の表面が乾かないように注意して、水やりはたっぷりとおこなってください。
畑に直接種をまく場合
今回は育苗する方法をご紹介していますが、畑に直接種をまいて育てる事も出来ます。
深さは5~10mm、間隔1cmほどでスジ状(条まき)に種をまき、上から薄く土をかけて軽く押さえる。
水やりはたっぷりとおこない、発芽するまでは土の表面が乾かないように注意して水やりをしてください。
発芽適温は、気温が15~25℃なら5~10日ほどになります。
栽培に適した土壌pHは、6.0~7.0程度の弱酸性から中性になります。特に酸性土壌では生育が抑制され病気も発生しやすいため、種をまく前に苦土石灰などで土壌のpHを調整しておきましょう。
間引き・育苗
種を植えて10日後のトレイの様子です。全部の種が発芽している訳ではありませんが、続々と発芽してきています。
長いもので5㎝ほどになっているので間引いていきます。一つの穴に一本の苗を育苗しますので、育ちの良い一本を残して間引きします。
このまま、苗の背丈が20㎝くらいになるまで育苗します。育苗期間はおよそ1.5~2ヶ月になります。
畑の場合は、一回目の間引きで株間を1~2cmにし、二回目の間引きで株間を3㎝~5cmにします。三回目の間引きで10㎝ほどに調整します。
定植(本植え)
苗の高さが20cm前後になったら、プランターまたは畑に植え替えます。今回は、ここから畑に定植します。
植える時は、深植えせず、浅く植えるのがポイントで腐り防止になります。
植え付け後にはたっぷりと水やりをしてください。
土寄せ・追肥
九条ネギは「土寄せ」で白い部分が伸び、柔らかくなります。葉ネギと収穫するものと白ネギとして収穫するものとを分けて育てていきます。
葉ネギの方は土寄せはとくにおこないません。
• 生育に合わせて月1回くらい土寄せしていきましょう。
• 追肥は2~3週間おきに液体肥料か化成肥料を与えます。
収穫時期
種まきから3~5か月後に収穫可能。
• 下から数cm残して切れば、再生してまた収穫できます(再生栽培)。
まとめ
発芽適温 15~25℃
株間 最終的に5~10cm
肥料 窒素多め(葉物用肥料)
光 よく日の当たる場所
水 表面が乾いたらたっぷり
九条ネギの白い部分(軟白部)を増やす方法
九条ネギの白い部分(軟白部)を増やす方法は、「土寄せ」や「軟白栽培」というテクニックを使います。
白くて柔らかいネギにするには、光を遮って育てることがポイントです。
白い部分を増やす栽培方法
土寄せ(つちよせ)で白くする基本技
• 茎の部分に少しずつ土をかぶせて光を遮ることで、白い軟白部が伸びます。
• 背丈が伸びてきたら、2週間ごとに少しずつ土を盛るのがコツ。
やり方
1. 苗の丈が20cmを超えたころからスタート。
2. 茎の根元に3〜5cm程度ずつ土を寄せていく。
3. これを数回繰り返し、最終的に15〜20cmくらいの高さまで土を寄せる。
一気に土をかけると腐るので、少しずつが重要!
培地やカバーで軟白する応用テクニック
■ 方法A:紙筒・新聞紙・トイレットペーパーの芯で巻く
• ネギの茎部分に巻いて、光を遮るだけでも白く育ちます。
• ベランダやプランター向けの簡易軟白法。
■ 方法B:ペットボトルや塩ビ管をかぶせる
• 根元にスリットを入れたボトルなどをかぶせ、日光を遮ります。
• 土寄せできない場所でも白化できます。
植え溝(V字)を使う栽培法(畑向け)
• 最初から深めのV字の溝に植えておいて、生長に合わせて土を盛る。
• プロ農家も使う定番軟白法です。
注意点
• 水はけが悪いと腐りやすい → 土寄せのたびに水やり加減を調整
• 葉が埋まらないように注意 → 土寄せは茎のみに
• 土寄せ後は追肥も忘れずに!
九条ネギの再生栽培(リボベジ)
九条ネギの再生栽培(リボベジ)は、とても手軽で初心者にもおすすめな栽培方法です。
一度収穫した後の「根元部分」を使って、繰り返し育てて収穫できます。
用意するもの
- 収穫した九条ネギの根元(3〜5cmくらい)
- 畑or小さめの鉢orプランターorペットボトル
- 野菜用培養土(または再生用の軽い土)
- 水(液体肥料)
手順
根付きのネギの「根元」を残して収穫し、根の部分から3〜5cm上でカットします。根がしっかり残っていれば再生しますので、ざっくりとカットしてもらえばOKです。
水につけて発根確認
カットした根元を水に数日つけておくと、白い根や新芽が出てきます。水は毎日替え、ぬめりが出たら、よく洗ってください。
※この工程は省略して、すぐ土に植えてもOKです!
土に植える
根元が埋まるくらいの浅さで植え、株間は5cm以上空けて植えると再生しやすいです。成長点が土に埋まると腐りますので、深く植えすぎに注意してください。
プランターなどで再生する場合は、日当たりの良い場所に置いてください。
※土に植えなくても、水のみでも再生します。ただ再生回数には限りがあります。
水やり
表面が乾いたらたっぷりと与え、根腐れしないよう、鉢底の水はけを良くしておく。畑の場合は、自然の雨にまかせてOKです。
成長したら収穫
2〜3週間でぐんぐん伸びてきます。高さ20〜30cmになったら収穫OKです!
また根元を5㎝ほど残して切れば、何度でも再生可能です。
再生栽培のポイント
- 繰り返し回数は2〜5回程度が限度(弱ってきたら株を更新してください)
- 収穫間隔は2〜4週間おき
- 追肥は液体肥料を10日に1回程度あげると再生が早い
- 害虫(アブラムシ)などに注意(見つけたら早めに駆除する)
室内でもできる?
窓辺の明るい場所ならOKです。ただし日照不足だとひょろひょろになるので、春〜秋の屋外の方が元気に育ちます。