サツマイモの後作におすすめの野菜5選|養分バランスを整えて次の収穫を成功させよう

サツマイモは甘みが強く保存性にも優れた人気の根菜で、家庭菜園でも育てやすい作物のひとつです。
つるを広げながら旺盛に育つため、雑草抑制効果も高く、栽培後の畑は見た目以上にすっきりしています。しかし、サツマイモを収穫した後の畑はリン酸やカリウムがやや多く、窒素が少なめになっていることが多く、後作に何を植えるかによってその後の畑の状態が大きく変わります。
また、サツマイモはヒルガオ科に属しており、同じ科の植物を続けて植えると連作障害が発生するおそれがあるため、別の科の野菜を選ぶのが基本です。
この記事では、サツマイモの後に植えるのに適した後作野菜を5種類ご紹介します。それぞれの特徴や栽培のコツを詳しく解説します。
ダイコン
サツマイモの後作として特におすすめなのがダイコンです。アブラナ科に属するダイコンは、サツマイモとは系統が異なり、連作障害の心配がありません。根菜同士ではありますが、ダイコンは深くまっすぐ根を伸ばす性質があり、サツマイモの収穫で柔らかくなった土壌環境を活かしてしっかりと育ちます。
また、サツマイモの後の畑は比較的乾燥しやすくなっていますが、ダイコンはやや湿り気のある環境を好むため、植え付け前に完熟堆肥をすき込むとよいでしょう。秋に種をまけば、冬にはみずみずしいダイコンを収穫できます。
ダイコンの栽培方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

ホウレンソウ
ホウレンソウはサツマイモの後作として非常に相性が良い葉物野菜です。アカザ科に属し、ウリ科やナス科などとも系統が違うため、土壌病害の影響を受けにくいのが特徴です。
ホウレンソウは比較的短期間(およそ40〜50日)で収穫でき、栽培サイクルに柔軟に組み込めます。さらに、サツマイモの後の畑に残るカリウムやリン酸を効率的に吸収して成長するため、肥料を控えめにしても十分に育ちます。特に秋から冬にかけての栽培は味がのり、甘みの強いホウレンソウが収穫できます。
ホウレンソウの栽培方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

ネギ類(長ネギ・分けつネギなど)
ネギ類もサツマイモの後におすすめの作物です。ネギはヒガンバナ科に属しており、連作障害のリスクが極めて低いのが特徴です。さらに、ネギの根から分泌される成分には抗菌作用があり、サツマイモの栽培で増えた病原菌や害虫を抑制する効果が期待できます。
また、ネギは長期栽培が可能で、秋から冬にかけて植え付ければ翌春まで畑をうまく活用できます。カボチャやナスなど他の作物のコンパニオンプランツとしても利用でき、畑全体の健康を保つのに役立ちます。
ネギの栽培方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

エンドウ類(スナップエンドウ・絹さやなど)
マメ科のエンドウ類もサツマイモの後作に最適です。マメ科の植物は根に根粒菌を共生させており、空気中の窒素を固定して土壌に補う働きがあります。サツマイモ栽培後の「窒素がやや不足した土壌」を自然に改善してくれるのが大きな利点です。
エンドウは秋に種をまいて冬越しし、春に収穫を迎える作物です。寒さに強い品種を選べば、サツマイモを収穫した直後に種まきしてもスムーズに育ちます。支柱を立てる手間はありますが、家庭菜園では春の彩りとして人気の後作野菜です。
エンドウの栽培方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。

レタス
サツマイモの後作として短期間で収穫できる葉物野菜を選ぶなら、レタスが最適です。キク科に属しており、ほとんど連作障害が発生しません。根張りも浅いため、サツマイモで掘り返した柔らかい土壌環境をそのまま活かせます。
レタスは冷涼な気候を好むため、秋まきで初冬にかけて収穫するのが理想です。水はけの良い畑環境と相性が良く、サツマイモ後のやや乾きやすい土壌でも栽培しやすい点が魅力です。栽培期間が短いので、次のシーズンの作付けにもスムーズに繋げられます。
レタスの栽培方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。


サンチュもオススメです。

まとめ
サツマイモを収穫した後の畑では、窒素分が不足しがちであることを意識しながら後作を選ぶのがポイントです。
今回紹介した「ダイコン」「ホウレンソウ」「ネギ類」「エンドウ類」「レタス」は、いずれもサツマイモと異なる科に属しており、連作障害のリスクが少なく、土壌のバランスを整えてくれる作物です。
サツマイモの後作をうまく計画することで、畑の栄養循環がスムーズになり、翌年の栽培にも良い影響を与えます。家庭菜園を一年中楽しむためにも、サツマイモの収穫後は畑をそのままにせず、ぜひ今回紹介した野菜を後作に取り入れてみてください。
